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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

黒田清輝の油絵、鉄砲百合

书籍名

移り栖む美术 ジャポニスム、コラン、日本近代洋画

着者名

判型など

574ページ、础5判、上製

言语

日本语

発行年月日

2021年

ISBN コード

978-4-8158-1016-0

出版社

名古屋大学出版会

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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印象派やゴッホが日本の浮世絵版画の影響を受けたという話を聞いたことはないだろうか。あるいは、《湖畔》で有名な明治の洋画家黒田清輝がフランスに長期留学していたことを知っていただろうか。実は、日本からフランスへ、フランスから日本へという美術の相互的な交流は近代日本文化の重要な側面を成している。本書『移り栖む美术』は、そのような日仏美術交流の実態、異文化にまたがる美術の移動と変容の歴史を、三部構成で論述した著作である。
 
第一部「ジャポニスムの群生」では、19世纪半ばの日本の开国以来、日本の美术工芸品がフランスに渡り、ジャポニスム现象を巻き起こし、フランス美术にいかなる変容をもたらしたのかを考察した。サロンで活跃した保守的な画家から前卫的なマネ、印象派にいたるまで広范囲の絵画作品を対象にして、异国趣味にせよ造形革新にせよ、日本美术を触媒としてフランス美术がいかに変貌していったのかを详细に検讨した。大陆寓意像の歴史、絵と文字の関係といった思いがけない视点から日本趣味の问题に切り込む章もある。また、装饰美术のジャポニスムとして陶磁器の场合を取り上げ、日本陶磁のフランスへの输出と评価、新しいフランス陶磁器の勃兴についても追跡した。フランスにおけるジャポニスムの多様性が浮かび上がったと思う。
 
「苏るラファエル?コラン」と题した第二部は、19世纪后半のアカデミックな画家であるコランに光を当てた。外光下の裸妇像を得意としたコランは繊细优美な画风を特徴とし、有名ではないが当时一定の评価を得ていた。本书でコランを再评価するのは、ジャポニスムに密接に関わると同时に、パリに留学した日本の洋画家たちを指导した画家であるからだ。コランは第一部と第叁部をつなぐ蝶番のような存在であり、特権的な媒介者として日本美术交流史にきわめて重要な役割を果たしている。
 
そして、第叁部「日本近代洋画の开花」においては、明治期の近代洋画をフランス美术との関係で捉え直そうとした。1878年のパリ万国博覧会が大きな契机となって、山本芳翠、五姓田义松、黒田清辉、さらに黒田の弟子たちがフランスに本格的に留学する。これらの洋画家たちがフランスのアカデミスム絵画を学习し咀嚼した后で、いかに日本独自の西洋絵画を确立していったのかを、作品に即して具体的に跡づけていく。黒田清辉に関しては、师ラファエル?コランから受けた教育课程の復元に加えて、黒田がフランス絵画の多様な潮流を摂取し、日本に移植しようと苦闘した様を検証した。その际、ジャポニスムの日本への环流というハイブリッドな现象にも着目して、日仏美术交流史を双方向的な视野に収めることができればと思う。
 
まるで植物が异种交配するように、美术作品もまた异国の地に根付いて新たな花を咲かせることがある。日本とフランスの美术の豊かな交差を知っていただきたい。

 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 三浦 篤 / 2021)

本の目次

序 章 移り栖む美术
 
  第滨部 ジャポニスムの群生
 
第1章 19世纪后半のフランスにおける日本趣味
     1 幕末の日仏関係
     2 美術工芸品の移動
     3 1867年のパリ万国博覧会をめぐって
     4 1870年代以降のジャポニスムの広がりと深化
     5 エルネスト?シェノー「パリの日本」とジャポニスム
第2章 サロン絵画における主题としての日本
      —— 異国趣味と女性像
     1 サロンにおける日本主題の流行
     2 ジャポニスム絵画の主要作例
     3 美術史から文化史への射程
第3章 フィルマン=ジラールとジャポニスム
     1 画家としての経歴
     2 《日傘をさす日本の女》と《小川の辺の日本の女たち》
     3 《日本の化粧》—— 発見された品物と発想源
     4 1873年のサロンにおける批評
     5 フィルマン=ジラールのジャポニスム、あるいは風俗主題の変奏
第4章 変容する〈アジア〉
      —— 大陸寓意像と「日本娘」
     1 寓意図像としての「アジア」
     2 中国、そして日本へ
     3 「ムスメ」の席巻
第5章 「マネ?印象派のジャポニスム」再考
      —— 浮世絵版画との関係を中心に
     1 影響?受容論から選択?摂取論へ
     2 初期のジャポニザン
     3 マネとジャポニスム
     4 マネの海景画と広重の《六十余州名所図絵》
     5 印象派とジャポニスム
     6 ドガと浮世絵版画
     7 モネと日本趣味
第6章 絵の中の文字
      —— 近代フランス絵画の場合
     1 画中に表された文字
     2 造形的要素としての署名
     3 ジャポニスム —— イメージと文字の融合
     4 ファン?ゴッホと広重 —— 絵と文字を写すこと
     5 作品タイトルなどその他の文字
第7章 フランスにおける陶磁器のジャポニスム
     1 装飾美術とジャポニスム
     2 ブラックモンと陶芸
     3 装飾的陶磁器から簡素な茶陶へ
     4 陶磁器と絵画?彫刻
 
  第滨滨部 苏るラファエル?コラン
 
第8章 ラファエル?コラン
      ——「ダフニスとクロエ」の画家
     1 自己形成
     2 裸婦と外光
     3 壁画と肖像画
     4 人物画から象徴主義へ
     5 絵皿と挿絵
     6 晩年のコラン
第9章 コランと日本
      —— 共鳴のジャポニスムから日本近代洋画の父へ
     1 極東美術コレクション
     2 共鳴のジャポニスム
     3 日本近代洋画の父
 
  第滨滨滨部 日本近代洋画の开花
 
第10章 西洋留学と明治洋画
     1 明治期に留学した洋画家たち
     2 留学期の西洋絵画受容
     3 ジャポニスムと洋画家たち
第11章 山本芳翠の裸妇像
      ——《天女》と《裸婦》について
     1 《天女》—— 模写から翻案へ
     2 《裸婦》—— ヌードの変質について
     3 近代洋画における裸婦の系譜
第12章 山本芳翠の肖像画
      ——《鮫島尚信像》の数奇な運命
     1 鮫島尚信と山本芳翠
     2 作品制作とその行方
     3 肖像画としての特質
第13章 明治洋画とレアリスムの系谱
      —— 五姓田義松のフランス留学
     1 フランス留学以前の五姓田義松
     2 義松とレオン?ボナ
     3 滞仏期の作品について
     4 帰国後の義松
第14章 黒田清輝と西洋美術教育
     1 留学時代の黒田清輝と美術教育
     2 帰国後の黒田清輝と美術教育
第15章 黒田清辉とフランス絵画
     1 コランとアカデミスム
     2 ミレーと田園生活
     3 バスティアン=ルパージュと自然主義
     4 ピュヴィス?ド?シャヴァンヌと壁画様式
     5 印象派
     6 先駆者としての黒田清輝
第16章 ラファエル?コランと日本人画家たち
     1 帰国後の黒田清輝とコラン
     2 黒田の弟子たちとコラン
     3 往還の軌跡 —— 媒介者としてのコランとピュヴィス
終 章 芸术の移動と変容
 

関连情报

受赏:
令和3年度(第72回)芸术選奨文部科学大臣賞 (文化庁 2022年)


第三十四回和辻哲郎文化賞 一般部門受賞作 (姫路文学館 2022年2月)



自着解説:
里程标としての着作 (『教养学部报』第637号 2022年6月1日)


书籍绍介:
『移り栖む美术―ジャポニスム、コラン、日本近代洋画―』(名古屋大学出版会) (ALL REVIEWS 2021年3月23日)

 
书评:
永井久美子 評 (『教養学部報』第631号 2021年11月)

 
佐藤康宏 評 [日本美術史不案内]147 去年フォンテーヌブローで (『UP』第50巻第8号 2021年8月号)

 
三浦雅士 評「美術史は人生を豊かにする」 (毎日新聞 2021年7月31日)

 
着者インタビュー (『アートコレクターズ』狈辞.148 2021年7月号)

 
古田亮 (東京藝術大学大学美術館教授?近代日本美術史) 評「十九世紀の日仏美術交流の様相」 (『週刊読書人』 2021年5月28日)

 
中島隆博 (哲学者、東京大教授) 評 (読売新聞オンライン 2021年5月23日)

 
(『月刊美术』6月号 2021年5月20日)

 
山形新聞 (2021年6月20日付) ほか計6地方紙


 
南明日香 評「新たな解釈が次々と示される――多くの図版と丁寧な解説の添えられた註が読者の理解を助けている」 (『図書新聞』第3497号 2021年5月29日)

 
書籍紹介 (『芸术新潮』 2021年5月号)

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