
书籍名
现场で使える教育社会学 教职のための「教育格差」入门
判型など
358ページ、础5判
言语
日本语
発行年月日
2021年10月30日
ISBN コード
9784623092604
出版社
ミネルヴァ书房
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
本书は、大学生用の教育社会学のテキストです。しかし、通常の教育社会学のテキストとは违う作りになっています。その最大の特徴は「教育格差」に焦点化しているということです。教育社会学は、教育现象を社会学の理论と方法を使って解明する学问领域であり、必ずしも教育格差や社会阶层の问题だけが扱われるわけではありません。しかし、本书では各章であえて「教育格差」の论点が必ず入るように构成しました。その意図は、「教育格差」の问题は教育现象や教育问题を理解するうえで基本的土台となりうる极めて重要なトピックでありながら、日本の大学の教职课程ではこの问题が不十分にしか扱われていないことが、共编者の松冈亮二氏の研究によってすでに明らかになっていたからです。大事なのに教えられていない&丑别濒濒颈辫;教育格差の実态を十分教わらずいきなり教坛に立つ若い教师がたくさんいる&丑别濒濒颈辫;この现状に大きな危机感を持った编者2人が构想を长时间にわたって议论し、その趣旨に賛同してくれた新进気鋭の教育社会学者たちが执笔に协力してくれることによって出来上がったのが、本书なのです。
そうした危機感をベースにしていますので、テキスト作りのプロセスも通常の大学教科書の編集とは大きく異なる手順をあえて踏む苦難の道を選びました。具体的には、第一に、各章の内容を構想する段階でたびたび研究会を開催し、各章の執筆者の原案を出してもらい、相互に厳しく意見交換しました。そのうえで、第二に、各章に関する領域に詳しい専門研究者数名に草稿に対する意見を求め、そのフィードバックを章の内容に反映させるようにしました。そして第三に、公開の編集会議をオンラインで開催し、自主的に参加してくれた現役教師や教職課程の学生、一般の社会人や大学教員など様々な立場からのフィードバックをもらいました。公開編集会議は16セッションで8日間、1日平均で執筆陣を除いて70名ほどにご参加いただき、全8日ではのべ560人にも上りました。大変密度の濃い議論を経て、各章の内容は作り上げられたのです。そこまで手をかけて作られるテキストは珍しいためか、このプロセスは注目され、新聞でも報道されました (朝日新聞2020年11月3日「教師の卵よ、教育格差学んで オンラインで教科書作り」)。
本書はすでに5刷となっておりますが、もっともっと多くの方々に読んでいただきたいと思っています。また、この本の内容をテキストにして実際に東京大学で授業を行った記録が、新書として3月に刊行されました (松岡亮二?高橋史子?中村高康 編『』光文社新书、2023年)。こちらも併せてご覧いただければと思います。
(紹介文執筆者: 教育学研究科?教育学部 教授 中村 高康 / 2022)
本の目次
第滨部 教育関係者のための教育社会学概论
第1章 教育は社会の中で行われている(中村高康)
1 教職志望の動機──「子ども好き」は志望理由になるか
2 教育と社会の関係を考えてみることの重要性
1 教育社会学を学ぶということ
2 社会化──個人は教育によって社会の構成員になる
3 時代による「社会」の違い
4 近代社会と学校?教室
5 教育の社会的機能と選抜
6 さまざまな格差
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第2章 教育内容?方法は社会と深く関わっている(中村高康)
1 総合学習は死んだか?
2 教育内容?教育方法と社会
1 教育内容はどのようにして決まるのか
2 教育方法はどのようにして決まるのか
3 教育内容?教育方法の変遷と社会
4 教育内容?教育方法の国際比較
5 教育内容?教育方法と格差
6 「社会」との関係から教育実践を見直す
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第3章 教育は阶层社会の现実から切り离せない(松冈亮二)
1 「ふつうの教育」は人によって違う
2 教育格差の実態とメカニズム
1 「緩やかな身分社会」日本
2 教育格差のメカニズム
3 日本は「教育格差社会」である
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第4章 「平等」なはずの義務教育にも学校間格差がある(山下 絢)
1 井の中の蛙?
2 教育格差の是正が可能な環境となっているか?
1 学習環境の格差
2 教師の職務満足度
3 公立私立間における格差
4 改革の潮流
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第5章 制度が隔离する高校生活(松冈亮二)
1 「ふつう」の高校生活
2 高校教育制度
1 トラッキングによる学校間のSES格差
2 隠れたカリキュラム?生徒文化
3 生徒の行動?教育選択
4 高校教師の期待?態度
5 走路 (トラック) に沿う生徒たち
6 高校階層構造によって隔離された高校生活
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第6章 教师は社会的存在である(金子真理子)
1 教師が忘れない,ある日の出来事
2 社会のなかの教師
1 教師の役割範囲の広さと不透明な遂行可能性
2 教職の威信は低下したか
3 職業威信を左右するもの
4 長時間労働と給特法
5 魅力は衰退したか
6 教師集団の年齢構成
7 教師の成長と文化の継承
8 教職労働の社会的特質とストレス
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第II部 学校现场で使える教育社会学
第7章 保护者?子どもの言动の背后にあるものを见据える(山田哲也)
1 ある若者の選択
2 何が保護者?子どもの言動を規定するのか
1 「他者の合理性」を探る
2 学校という舞台で生じる異なる立場の衝突
3 子育て?教育スタイルにみられる階層差
4 経済的に厳しい保護者たちによる模索
5 認識のバイアスを乗り越えるために
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第8章 教師はどのように生徒と関わってきたのか(知念 渉)
1 高校時代を思い出してみよう
2 教師-生徒関係を考える
1 高校階層構造というトラッキング?システム
2 現場の教授学
3 現場の教授学の危機?──教師のおかれた時代状況の変化
4 生徒の「学校内活動」の増大──生徒のおかれた時代状況の変化
5 社会的文脈を考慮した生徒への対応
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2&别苍蝉辫;メディアの绍介
第9章 非行は学校教育と密接に結びついている?(岡邊 健)
1 非行少年を排除する学校
2 非行とは何か? 非行はどうなっているのか?
1 非行?逸脱概念の特徴
2 公式統計でみる日本の非行情勢
3 非行?逸脱を説明する理論
4 少年非行に関する実証研究とその含意
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第10章 进路が実质的に意味する生徒の未来(日下田岳史)
1 中高生が選ぶ進路
2 学歴社会と教育機会
1 学歴の現実的意味合い
2 学歴獲得に至る機会
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第11章 「性别」で子どもの可能性を制限しないために(寺町晋哉)
1 赤いマグカップにみる「ルール」
2 学校教育で再生産されるジェンダー
1 社会におけるジェンダー
2 教育達成とジェンダー
3 「隠れたカリキュラム」とジェンダー
4 教室のやりとりにおけるジェンダー
5 性的マイノリティの困難を生み出す学校教育
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第12章 日本の学校も多文化社会の中にある(髙桥史子)
1 子どもたちの文化的多様性と学校
2 移民の子どもと教育格差
1 民族的?文化的多様性
2 不就学
3 学校経験
4 低い進学率
5 他国に学ぶ多文化社会の教員の役割
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第13章 特别活动と部活动に忍びよる格差(山本宏树)
1 学校の二大花形「特活と部活」
2 特別活動と部活動をめぐる格差
1 学校行事をめぐる格差
2 生徒会活動をめぐる格差
3 部活動をめぐる格差
4 部活動の格差是正機能
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第14章 不登校?いじめは「心の问题」なのか(伊藤秀树)
1 「心の問題」という先入観を取り払う
2 不登校といじめが生じるメカニズム
1 家庭環境と不登校
2 不登校の多様性
3 友人関係?学級集団と不登校
4 誰がいじめられやすいのか
5 誰がいじめをするようになるのか
6 いじめにつながる学級集団
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
第15章 「现场」のために教师が社会调査を学ぶ(小西尚之)
1 学校で「調査」をする?
2 教育社会学の「実践」
1 調査結果を見る際に気をつけること
2 調査の前に知っておくべきこと──調査倫理について
3 アンケート調査
4 参与観察
5 インタビュー調査
6 アクション?リサーチ──「現場」での教育社会学の有用性
3 現場のためのQ&A
4 演習課題
1 ツイート課題
2 レポート課題
5 理解を深めるために
1 文献紹介
2 メディアの紹介
おわりに──唯一の现実的な「希望」として
索引
コラム
1 スクールソーシャルワーカーと协働して教育格差に向き合おう(藤本启寛)
2 学歴に関するありがちな意见は妥当なのか?(豊永耕平)
3 学校における「会话」を分析してみる(布川由利)
関连情报
「教育格差」について知らなくても&濒诲辩耻辞;学校の先生になれる&谤诲辩耻辞;&丑别濒濒颈辫;日本の教职课程における「大问题」 (『现代ビジネス』 2021年11月11日)
関连记事:
松冈亮二?中村高康监修
书评?関连エッセイ「高校教员のための教育格差入门(连载)」 (『月刊高校教育』)
Education 特集:「先生になる人の傾向に見る?教育格差?問題の盲点?現場に必要な教育社会学 - 教育格差の実態とメカニズムを学ぶべき理由」 (東洋経済ONLINE 2022年12月26日)
家庭?地域による格差は縮小するのか 「やりっ放し教育行政」の改革を (『先端教育』 2021年12月号)
教师の卵よ、教育格差学んで オンラインで教科书作り (朝日新闻顿滨骋滨罢础尝 2020年10月31日)
书评:
苅谷剛彦 (オックスフォード大学) 評「高校教員のための教育格差入門書評「事件は会議室で起きているんじゃない!」 (『月刊高校教育』2023年1月号 2023年1月)
BOOK GUIDE (『教職研修』 2022年9月号)
加茂勇 評 (『教育』 2022年8月号)
中村豊 (公益社団法人日本教育会事務局長) 評「理解助けるQ&A、演習課題も」 (NIKKYO WEB 日本教育新聞 2022年2月7日)
书评 (『食育フォーラム』 2022年2月)