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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

ベージュの表紙

书籍名

〈英语〉文学の现在へ 闯?惭?クッツェー 世界と「私」の偶然性へ

着者名

田尻 芳樹

判型など

352ページ、四六判、并製

言语

日本语

発行年月日

2023年3月25日

ISBN コード

978-4-384-06045-4

出版社

叁修社

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本書は南アフリカ出身で二〇〇三年にノーベル文学賞を受賞した作家ジョン?マクスウェル?クッツェー (John Maxwell Coetzee) に関して、全主要作品 (小説も評論も) を原則として出版年順に解説、論評することで、彼の文学への導きの書となることを目指している。もちろん、すでに彼の作品を知っている読者にさらに深く考えてもらうことも目的としている。作品論と合わせて伝記的情報も盛り込んだので評伝として読んでもらうこともできる。

序章では、まず南アフリカという彼が生まれ育った国について解説し、小説家としての経歴を開始するまでの少年期、青年期を伝記的に記述する (そこでは自伝的小説『少年時代』、『青年時代』を参照する)。次いで、本書全体の構成を説明しながらその後の経歴を簡略に示す。最後にクッツェー文学の研究史を概観し、本書のクッツェー研究としての特色を明確にする。

第一章「一九七〇年代から八〇年代へ――作家の诞生と飞跃」は、最初の小説『ダスクランズ』を一九七四年に出版してから、小説家として国际的名声を获得する一九八〇年代までをカヴァーする。

第二章「一九九〇年代の多彩な展开」は、アパルトヘイトが终焉して南アフリカが大きな変化を遂げた一九九〇年代の着作を検讨する。

第叁章「大いなる転换期」は、クッツェーが国际的に知られた「南アフリカの作家」からより本质的な意味でのグローバルな作家へと転换していく重要な过渡期を扱う。

第四章「オーストラリアへの移住と模索」は、二〇〇二年にオーストラリアに移住し、二〇〇叁年にノーベル文学赏を受赏してからの作品を扱う。

第五章「イエス叁部作と近年の动向」では、死后の世界を描いたと思われる不可思议な「イエス叁部作」と、クッツェーの「南の文学」へのコミットメントなどを扱う。

补论一では、「近代文学の终わり」というクッツェー文学の重要な主题を论じて、彼を近?现代文学史の中に位置づける。

补论二では、「イエス叁部作」で浮上した、やはり重要なテーマである、世界と「私」の偶然性の问题について、デカルトを手がかりにしながら探究する。

これら二つの补论は、クロノロジカルに作品を追ったために本论部分で十分に论じきれなかった二つのテーマをより深く掘り下げるもので、ここに本书のクッツェー研究としての独自性があると考えてもらってよい。

その他、学者、批评家でもあったクッツェーの评论にも十分目配りしたこと、私自身がクッツェー氏と个人的に交流したり、国际クッツェー学会に参加したりした経験を绍介したことも本书の特质である。
 

(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 田尻 芳樹 / 2023)

本の目次

序章

第一章 一九七〇年代から八〇年代へ――作家の诞生と飞跃
 『ダスクランズ』Dusklands (1974)
 『石の女』In the Heart of the Country (1977)
 『夷狄を待ちながら』Waiting for the Barbarians (1980)
 『マイケル?碍』Life & Times of Michael K (1983)
 『フォー』Foe (1986)
 『南アフリカの白人文学』White Writing: On the Culture of Letters in South Africa (1988)

第二章 一九九〇年代の多彩な展开
 『鉄の时代』Age of Iron (1990)
 『振り返って考える――论文とインタヴュー』Doubling the Point: Essays and Interviews (1992)
 『ペテルブルグの文豪』The Master of Petersburg (1994)
 『検閲论』Giving Offense: Essays on Censorship (1996)
 『少年时代』Boyhood: Scenes from Provincial Life&苍产蝉辫;(1997)――叁人称と现在形について

第叁章 大いなる転换期
 『动物のいのち』The Lives of Animals (1999)
 『耻辱』Disgrace (1999)
 『见知らぬ岸辺』Stranger Shores: Essays 1986-1999 (2001)
 『青年时代』Youth (2002) ――遅れてきたモダニスト
 『エリザベス?コステロ――八つのレッスン』&苍产蝉辫;Elizabeth Costello: Eight Lessons (2003)

第四章 オーストラリアへの移住と模索
 『遅い男』Slow Man (2005)
 『悪い年の日记』Diary of a Bad Year (2007)
 『内部の作动』Inner Workings: Essays 2000-2005 (2007)
 『サマータイム』Summertime: Scenes from Provincial Life (2009)
 『ヒア?アンド?ナウ』Paul Auster & J.M.Coetzee, Here and Now: Letters 2008-2011 (2013)
 『良い物语――真実、フィクション、心理疗法をめぐる対话』Arabella Kurtz & J. M. Coetzee, The Good Story: Exchanges on Truth, Fiction and Psychotherapy (2015)

第五章 イエス叁部作と近年の动向
 『イエスの幼子时代』The Childhood of Jesus (2013)
 『イエスの学童时代』The Schooldays of Jesus (2016)
 『イエスの死』The Death of Jesus (2019)
 『晩年の评论』Late Essays 2006-2017 (2017)
 『モラルの话』Moral Tales&苍产蝉辫;(原书未刊)
 『ポーランド人』The Pole (2023)

補論一 近代文学の終わりと闯?惭?クッツェー
补论二 クッツェー文学における「私」の问题――デカルトの主题による変奏

文献リスト
文献案内
年谱
あとがき

関连情报

书评:
鴻巣友季子 評 (ALL REVIEWS 2023年12月5日)

 
日吉信貴 評「世界的英文学者による大変贅沢な導きの書――クッツェーと柄谷行人の著作を同時に論じる章も」 (図書新聞 2023年7月1日号)

 
书籍绍介:
今週の本棚 (毎日新闻 2023年10月14日)

 
関连イベント:
特別対談「闯?惭?クッツェーと〈英語〉文学の現在」田尻芳樹×鴻巣友季子 (東京大学駒場キャンパス 2023年9月11日)

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