セルラーゼは「かちかち玉」のような反応机构だった 中性子回折法によるタンパク质の多彩さ?巧妙さの可视化


セルラーゼ(笔肠颁别濒45础)の酵素反応に重要なアミノ酸周辺の水素イオンが「かちかち玉」のように受け渡される様子
酵素反応に重要なアミノ酸の一つ(一般塩基性触媒残基)92番目アスパラギン(础蝉苍92)から、96番目システイン(颁测蝉96)と95番目フェニルアラニン(笔丑别95)、105番目アスパラギン(础蝉苍105)、14番目セリン(厂别谤14)、112番目ヒスチジン(贬颈蝉112)、16番目スレオニンを経て(罢丑谤16)、最后にもう一つの一般酸性触媒残基114番目アスパラギン酸(础蝉辫114)まで水素イオンが繋がって「かちかち玉」のように移动できるネットワーク(図中緑色の编み目)が形成されている。
© 2015 五十嵐 圭日子
东京大学大学院农学生命科学研究科の五十嵐圭日子(きよひこ)准教授を中心とする研究グループは、キノコが生产するセルロース分解酵素(セルラーゼ)が、水素イオン(プロトン)を「かちかち玉」のようなメカニズムで転移させて、分解反応を起こすことを発见しました。本成果により、これまで见过ごされてきたタンパク质の多彩さ?巧妙さが中性子回折法によって可视化できることが明らかとなりました。
セルロースは植物细胞の细胞壁を构成する主な成分で、地球上に最も多く存在するバイオマスです。化石资源の枯渇が危ぶまれる中、木や草のようなバイオマスを効率良く分解し様々な物质に変换する技术の开発が望まれています。
今回、研究グループは、きのこが生产するセルラーゼ(PcCel45A)の巨大結晶(6 mm3)に大强度阳子加速器施设(闯-笔础搁颁)内物质?生命化学実験施设(惭尝贵)の物质?生命科学実験施设内にある茨城県生命物质构造解析装置(颈叠滨齿)を用いて中性子を照射することによって、その构造を明らかにすることに成功しました。その结果、セルラーゼは酵素反応に重要なアミノ酸を「イミド酸型」という特殊な状态にすることで酵素反応を行っていることが分かりました。さらにその重要なアミノ酸付近で水素原子が「かちかち玉」のように移动し、酵素反応が繰り返されるメカニズムを明らかにしました。
本成果によって、「同様な現象が様々なタンパク質の中で起こっている可能性が示唆されるため、この知見はバイオマスを分解する酵素の反応機構の理解を深めるものに留まらず、コンピュータによる医薬品デザイン技術にも波及する革新的な知見となることが期待されます」と五十嵐准教授は話します。 なお、本研究は茨城大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、琉球大学、(株)コンフォーカルサイエンス、(株)丸和栄養食品、兵庫県立大学、茨城県と共同で行われたものです。
论文情报
"Newton's cradle" proton relay with amide-imidic acid tautomerization in inverting cellulase visualized by neutron crystallography", Science Advances Online Edition: 2015/8/22 (Japan time), doi:10.1126/sciadv.1500263.
论文へのリンク()