世界最小ハードフェライト磁石の开発に成功 磁気记録用のナノ新素材を発见


世界最小ハードフェライト、イプシロン型-酸化鉄(&别辫蝉颈濒辞苍;-贵别2O3)磁性粒子の保磁力の粒径依存性。他のフェライト磁石の磁化の外部磁场依存性と粒径依存性を比较のために表示している。
© 2016 Shin-ichi Ohkoshi.
东京大学大学院理学系研究科の大越慎一教授らの研究グループは、十ナノメートル以下で世界最小の鉄の酸化物を主成分とした磁石(ハードフェライト)の开発に成功しました。この磁石は、鉄と酸素からできているため、环境にやさしく低価格で大量生产に适しており、次世代のアーカイブ用大容量磁気记録などの高密度磁気记録技术への利用が期待できます。
酸化鉄からなるフェライト磁石は、永久磁石、磁気记録媒体、电磁波吸収材料、磁性流体などに広く用いられてきました。フェライト磁石は、磁気记録媒体として注目を浴びていると同时にその高密度化の要求が高まっています。中でも、高密度化に向けて大きな保磁力を持つナノメートルの大きさの磁性粒子の开発が重要な课题となっています。フェライト磁石は、ナノメートルの大きさで必要とされる化学的安定性を持っていますが、これまでに知られているものでは、粒径を小さくすると磁石としての性质を保てないため、十ナノメートル以下のハードフェライト磁石はありませんでした。
今回研究グループは、イプシロン型-酸化鉄(&别辫蝉颈濒辞苍;-贵别2O3)を5~40ナノメートルの間の粒子の大きさで系統的に合成する新技術を開発し、イプシロン型-酸化鉄が7.5 ナノメートル以上の大きさで磁石の性質(強磁性相転移)を示すことを明らかにしました。磁気テープやハードディスクなどの磁気記録メディアでは、3キロエルステッド(kOe)以上の保磁力が必要ですが、今回の材料は、8 ナノメートルの大きさで5 kOeの保磁力を示しており、超高密度磁気記録用の素材としての可能性を有しています。また、今回、イプシロン型-酸化鉄は、強磁性だけでなく、自発電気分極も持っていることを理論的にも実験的にも示したため、最小のマルチフェロイックフェライト粒子と言えます。
「私たちが开発したフェライト磁石は、ビッグデータのアーカイブ用大容量记録メディアとしてグーグルなどでも使用され、昨今、产业界でその復活がたいへん注目を浴びている磁気テープストレージの未来材料としての可能性をもっています」と大越教授は话します。「また、イプシロン型-酸化鉄はフェライト磁石の中で最も色が薄く、透明カラー磁性涂料やプリンター用のカラー磁性トナーなどの新しい用途も考えられるかもしれません」とのことです。
论文情报
Nanometer-size hard magnetic ferrite exhibiting high optical-transparency and nonlinear optical-magnetoelectric effect", Scientific Reports 5, 14414 (2015), doi:10.1038/srep14414.
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