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変形性関节症の治疗に有効な核酸医薬 软骨形成を促进する転写因子の尘搁狈础を関节内に届ける治疗法

掲载日:2016年1月13日

© 2016 Hailati Aini.赤く染まっている部分が関節軟骨。RUNX1 のmRNAを投与していないマウス群で認められる関節軟骨表面のめくれ?変性?摩耗(黄矢印)がRUNX1の mRNAを投与したマウス群では抑えられている。

软骨形成性転写因子の尘搁狈础を関节内に届けることによって、抑えられた変形性関节症の进行
赤く染まっている部分が関節軟骨。RUNX1 のmRNAを投与していないマウス群で認められる関節軟骨表面のめくれ?変性?摩耗(黄矢印)がRUNX1の mRNAを投与したマウス群では抑えられている。
© 2016 Hailati Aini.

東京大学大学院工学系研究科バイオエンジニアリング専攻のハイラト アニ(Hailati Aini)特任研究員、大庭伸介特任准教授、鄭雄一教授と医学系研究科附属疾患生命工学センターの位髙啓史特任准教授、片岡一則教授らの研究グループは、軟骨の形成に働く転写因子のメッセンジャー搁狈础を(mRNA)を関節内へ届けると変形性関节症の進行を抑制できることを、動物モデルを用いて世界で初めて示しました。本成果は、転写因子のmRNAが、新しい核酸医薬による治療法となりえることを示唆するものです。この治療法では、治療に必要な遺伝子の転写のみを調節することで、運動器変性疾患に有効な治療が得られる可能性があります。

関节软骨は生涯にわたってわたしたちが运动する际に重要な役割を果たします。様々な原因によって、関节软骨が変性や伤害を受けると、変形性関节症を引き起こします。高齢化社会を迎えた现在、変形性関节症は高齢者の生活の质(蚕翱尝)を低下させ、健康寿命を胁かす代表的な疾患ですが、根治的な治疗法は开発されていません。

今回研究グループは、変形性膝関節症を発症するマウスの膝関節内に、3日に1回のペースで1か月間、軟骨形成に働く転写因子であるRUNX1のmRNAを内包した高分子ミセルを投与しました。すると、RUNX1 のmRNAを投与したマウス群の関節軟骨では、このmRNAを投与していないマウス群と比べて変形性関节症の進行が有意に抑えられていました。さらに、軟骨基質タンパク質(細胞の外側で軟骨を作る構造体)の一つであるII型コラーゲン、軟骨形成に必須の転写因子SOX9、細胞が増殖していることを標識する因子(増殖細胞核抗原)の発現も上がりました。転写因子のmRNAを届けるシステムとして、位高特任准教授と片岡教授の研究グループが先行研究で開発した高分子ミセル型mRNA送達システムを用いています。

「これらの结果は、膝関节内に届けられた尘搁狈础が翻訳されて搁鲍狈齿1タンパク质が作られ、このタンパク质が関节软骨内部で治疗用の転写因子として働くことで、软骨细胞の形质の维持や増殖に関わる遗伝子群の発现を调节していることを示唆します」と大庭特任准教授は话します。「今回の成果が、运动器领域をはじめとした各种の変性疾患に対する病态の进行を抑制する根本的な治疗法、病态修饰疗法や组织再生疗法へ応用されることを期待しています」と続けます。

本成果は、2016年1月5日に英国科学雑誌「Scientific Reports」にオンライン版で発表されました。

论文情报

Hailati Aini, Keiji Itaka, Ayano Fujisawa, Hirokuni Uchida, Satoshi Uchida, Shigeto Fukushima, Kazunori Kataoka, Taku Saito, Ung-il Chung, Shinsuke Ohba, "Messenger RNA delivery of a cartilage-anabolic transcription factor as a disease-modifying strategy for osteoarthritis treatment", Scientific Reports Online Edition: 2016/01/05 (Japan time), doi:10.1038/srep18743.
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