脊椎动物の基本构造が5亿年以上変わらなかった理由 遗伝子の使い回しによる进化的な多様化の制约


脊椎动物の基本构造をつくる时期は、多様化が制约されている
脊椎动物の基本构造をつくる时期にはたらく遗伝子は、その时期以外にもいろいろなところではたらいています。この使い回しによって、脊椎动物の基本构造が进化を通して多様化しにくくなっている可能性が高いことが今回明らかになりました。
© 2018 Naoki Irie.
東京大学大学院理学系研究科の入江直樹准教授らの研究グループは、脊椎动物の基本构造が5亿年以上変わらなかった理由として、遺伝子の使い回しが寄与していることを明らかにしました。
我々ヒトをはじめ、他の哺乳类、鸟类、爬虫类、両生类、鱼类を含む背骨をもった动物(脊椎动物)は、5亿年以上前に出现して以来、さまざまな形の姿に进化し、多様化してきました。しかし、どの脊椎动物种も体の基本的な解剖学的特徴は数亿年间の进化的多様化を通してもほとんど変わっておらず、その原因は明らかになっていません。これまでの研究により、脊椎动物の基本构造を决定づける胚発生期が、进化を通して多様化してこなかったことに原因があると推定されてきました(発生砂时计モデル)。しかし、なぜその胚発生过程が进化を通して保存されるのかについては不明のまま、解明が待たれていました。
今回、入江准教授が率いる国际共同研究グループ(贰齿笔础狈顿贰コンソーシアム)は、脊椎动物を含む8种の脊索动物(脊椎动物に加えてナメクジウオなどの头索动物とホヤ类などの尾索动物をあわせたグループ)を対象に、体づくりが行われる胚発生の过程ではたらく遗伝子の情报を大规模に同定と比较解析することでこの问题に取り组みました。得られたデータの解析によって、脊椎动物の基本构造がつくられる时期にはたらく遗伝子の多くが、その他の时期にみられるさまざまな体づくりの过程にも関わっている「使い回し遗伝子」であること、そして、使い回し遗伝子が脊椎动物进化における多様化の制约と密接に関连していることを明らかにしました。脊椎动物の基本构造がつくられるプロセスには使い回し遗伝子が多く、それが原因で基本构造の多様化が制约されてきたというシナリオが考えられます。
遗伝子の使い回しによる进化は、脊椎动物に限らず生物において広く普遍的な现象であり、「进化しにくい?进化しやすい生物の特徴」をより良く理解できるようになると期待できます。
「正直、予想していない结果でした。やっても意味のない解析だろうな??と思っていたものが、今回の成果の一番大きな発见になりました」と入江准教授は话します。「実は、遗伝子の使い回しは脊椎动物に新しい形を进化させることに寄与するケースがよく知られています。これを踏まえると、遗伝子の使い回しは、やればやるほど进化しにくくなるという诸刃の剣なのかもしれません。科学の常ですが、さらにのめり込んで调べたい疑问が増えました」と続けます。
论文情报
Constrained vertebrate evolution by pleiotropic genes", Nature Ecology & Evolution Online Edition: 2017/09/26 (Japan time), doi:10.1038/s41559-017-0318-0.
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