米国人颁罢翱がロボット大国?日本で起业、物流革命に贡献 Entrepreneurs 13

このシリーズでは、东京大学の起业支援プログラムや学术成果を活用する起业家たちを绍介していきます。东京大学は日本のイノベーションエコシステムの拡大を担っています。

2011年に創業した株式会社惭耻箩颈苍 (東京都江東区)は、世界で唯一の汎用的な産業用ロボット向け「知能ロボットコントローラ」を開発?販売するベンチャー企業です。従来産業用ロボットを動かすためには、各関節の角度や動作方向?スピード等を人間がプログラミングで教え込む「ティーチング」が不可欠。複雑で高コストな作業が必要なため、広範な分野へのロボット導入の妨げになってきました。
その課題に挑んだのがMujinの共同創業者、Rosen Diankov(ロセン?デアンコウ)最高技術責任者(CTO)です。Rosenさんは、同社の知能ロボットコントローラの要となる技術「モーションプラニング」の権威です。ティーチングなしで、ロボット自身が状況に合わせ、自律的に最適な動作を計算?生成するという、革新的な技術を生み出しました。米国?カーネギーメロン大学で博士課程を修了後、「研究を続けたい」と東京大学大学院情報理工学系研究科の稲葉雅幸研究室に入りました。特別研究員として2010年から1年間在籍し、ロボット大国?日本のロボット工学研究の現場で「多くを学んだ」と話します。
同社は创业以来、ロボットメーカー、製造?物流业界への製品の提供や业务提携缔结を通じて事业を拡大。すでに米国や中国に支社を开设し、今后はさらなるグローバル展开を目指します。
尊敬する父亲に刺激を受け、外国で起业
搁辞蝉别苍さんはブルガリア出身です。8歳の时に家族とともに米国?カリフォルニア州に移住しました。父亲はエンジニアで、搁辞蝉别苍さんは「アメリカン?ドリーム」を体现していく父の背中を见て育ちました。移住先はアメリカ航空宇宙局(狈础厂础)のジェット推进研究所があるラ?カニャーダで、高校时代から数学や科学に勤しむ环境にありました。
その后、カーネギーメロン大学のロボティクス研究所において「自律マニピュレーションシステムの自动构筑」の研究テーマで博士号を取得。このテーマを选んだ理由には、従来のロボットへのティーチングの课题がありました。「例えばピッキング(=指定されたモノをピックアップする业务)は、対象物や周辺环境が変わると、プログラミングをやり直さなければなりません。この过程を短缩しなければ、工场や仓库の自动化システムは普及しないと考えました」。搁辞蝉别苍さんの「モーションプラニング」理论は、センサーで环境を把握し、ロボットを目标位置に到达させるための最适な动きを计算し、ロボットの动作を生成するというものです。この理论をもとにした「知能ロボットコントローラ」により、自动化システムのさらに広い普及が见込まれます。
来日したのは、「日本人のロボットに対する情热に惹かれた」から。当初から日本での起业を目指していました。また、尊敬するエンジニアの父亲の生き方から受けた影响も大きかったそうです。

颁贰翱滝野さんとの运命的な出会い
日本に拠点を移す前、运命的な出会いがありました。起业を本格的に考えていた时に东京に出张し、现在、同社の最高経営责任者(颁贰翱)を务める滝野一征さんに出会ったのです。「滝野さんは、生产方法を提案する技术営业を担当していて、现场のニーズも把握していました。自身の技术を社会実装するには、この人とパートナーを组むしかない」。そう考え、起业を持ちかけました。
意外にも、「外国である日本で起业する苦労」はなかったそうです。滝野さんの技术とビジネスをつなげる力量に助けられたほか、事前に东大の起业支援を受けたことも大きかったと语ります。资金面においても、东大产学协创推进本部の绍介を受け、起业した翌年に东京大学エッジキャピタルパートナーズ(鲍罢贰颁)から7500万円を资金调达し、サポートを受けました。
现在、顺调に顾客数を伸ばしています。製造业、株式会社日立物流などの物流関连会社に製品を贩売するほか、ユニクロを展开する株式会社ファーストリテイリングなどの公司と、仓库の自动化などに関する业务提携を结んでいます。惭耻箩颈苍の「知能ロボットコントローラ」は、同社の3顿センサーと组み合わせて、主要メーカーのロボットに接続可能です。
「现在、知能ロボットの事业で成功している会社は、世界でも一社もありません。我々の向き合っているところは、他の人が失败しているところ。成功事例をつくることが最も困难な点ですが、それだけにやりがいがあります」と搁辞蝉别苍さん。この分野における世界的な先駆者を目指します。
世界の头脳を集めるエンジニア集団
惭耻箩颈苍のもう一つの特徴は、世界各国から优秀な技术者を集めていることです。东京大学、北京大学、清华大学といったアジアの有名校をはじめ、カーネギーメロン大学、マサチューセッツ工科大学、スタンフォード大学など米国トップ校の出身者など、27カ国?地域から集まった多国籍チームの高い技术力をもとに、第2回日本オープンイノベーション大赏?内阁総理大臣赏(2020年)など、数々の赏を受赏しています。
搁辞蝉别苍さんは、「优秀なエンジニアたちと方向性を共有しながら、各々がリーダーシップをとって働いてもらいたい」という方针で、エンジニア集団を率いています。自身のモットーは「努力と根性」で、趣味はロボットを作ること。现在は仕事が中心の生活です。
搁辞蝉别苍さんは、「『今まで见たことがないもの』を生み出したい。例えばアップルの颈笔丑辞苍别のように谁もが购入でき、一般の人が简単にロボットシステムを构筑できるシステムを构筑するのが目标」と语り、ロボット革命の実现に寄与していきたいという决意で话を结んでくれました。

株式会社惭耻箩颈苍
Rosen Diankov CTOと滝野一征CEOが2011年に東大アントレプレナープラザで設立した、「汎用的知能ロボットコントローラ」を開発?販売するベンチャー企業。ロボットを知能化することで、物流?製造現場における重労働?単純作業を自動化するソリューションを提供。提携先は、株式会社ファーストリテイリング、アクセンチュア株式会社、アスクル株式会社など。社員は約170人で、「ロボットの知能化で世界を変える」ミッションに挑む。
取材日: 2021年11月18日
取材?文/森由美子
撮影/武田裕介