东大3惭罢初代优胜者に闻く 国际研究コミュニケーション大会参加の意义と成功の秘诀は?


2019年5月、东京大学小柴ホールで开かれた3惭罢コンペティションで発表する志贺崇徳さん
2019年5月、東京大学で初めて行われた3MT(Three Minute Thesis) コンペティション。3MTとは博士課程在学中の学生が、自分の博士論文の内容について英語で、1枚のスライドだけを使って、一般の人向けに3分以内で説明するというもの。研究コミュニケーション能力を競うこの大会は、2008年にオーストラリアで始まり、今では86ヵ国、600以上の大学で開催されています。
农学生命科学研究科獣医病理学研究室の志贺崇徳さんは、去年の东大3惭罢で盲导犬の遗伝性疾患に関する自身の研究について発表し、见事优胜。10月にブリスベンのクイーンズランド大学で行われたアジア太平洋国际大会に出场しました。惜しくも準决胜で败退しましたが、贵重な経験になったと振り返ります。
东大では今年も、3惭罢の出场者を募集しています(は2020年3月29日まで)。そこで、初代东大3惭罢优胜者の志贺さんに、出场のきっかけや、大会参加で得られたもの、今年の出场予定者へのアドバイスなどを伺いました。
―― そもそもの参加のきっかけを教えてください。
研究室の中山裕之教授が大学からの案内を见つけて、君は向いてそうだから出てみれば、と声をかけていただきました。今年からこういう大会をやるらしいよと。
―― 3惭罢の第一印象は?
それまで、研究室内のゼミとか学会の発表とかでしかスピーチしたことがなく、それも殆ど日本语でしかやったことがありませんでした。英语では去年初めて海外の学会に行って発表したぐらい。なので、大会で顺位がついたり、审査されるのは、正直嫌だなという気持ちが最初はありました(笑)。
―― 準备を始めたのはいつごろで、どのようにプレゼン内容を组み立てていったんですか?
東大での大会の一か月前ぐらいから準備を始めました。まず自分で英語の原稿を書いて、それを研究室のネイティブの先生(チェンバーズ ?ジェームズ助教)に直していただき、准教授の内田和幸先生、教授の中山先生にもチェックしていただきました。原稿が仕上がった段階で暗記して、3人の前でスピーチしました。その際、チェンバーズ先生がスピーチを聞きながら発音をチェックしてくれました。1枚見せるスライドについても先生方が意見をくださった。それでスライドを作り直して、2回目のスピーチ披露を先生の前だけでやったあと、3回目のプレゼンをゼミの学生30-40人の前でやりました。その時点で、スクリプトの暗記とか発音は問題なかったのですが、「目が泳いでる」とか「もうちょっとゆっくりあたりを見渡せ」とかいろいろアドバイスを受けました。

―― 研究室の全面的なバックアップがあったんですね。
はい。そのあと、个人的に、二人のアメリカ人にスピーチを闻いてもらいました。一人は近所で英会话教室をやっている方で、主に発音の修正をやってもらいました。もう一人の方は直接会う都合がつかなかったので电话で闻いてもらいました。计5回プレゼンする机会があったので、英语に関しては苦手意识なく本番に临めたのはよかったと思います。
―― 原稿を覚えるのに夜中に研究室から家に帰ってきてトイレで暗唱したとか?
はい。それは毎日コツコツやりました。広报戦略本部の(サイエンスコミュニケーターの)ケイトリン?デヴァさんからも、覚えたものをしゃべろうとすると本番で大失敗するから、毎日練習して不安をなくして、最後はリラックスしてできるように、というアドバイスがあったので。本番前の1週間か2週間ぐらいは、毎日一回は読みました。大学にいるときは、空いている教室に入って一人でやる、というのも毎日やりました。
―― 东大3惭罢の本番を振り返っていかがでしたか?
结构リラックスして、人の目を见ながら话せたので気持ち良かったです。楽しくできました。动画をあとで観て思ったんですけど、ちょっと最初に詰まっちゃった。息をするタイミングを间违えて。でもその后はうまくいったのでよかったと思います。
―― 胜算はありましたか?
正直、优胜できるとは思ってなかったんですけど、ピープルズチョイス赏を狙えたらいいな、という気持ちはありました。なので、その赏の発表で名前が呼ばれなかった时に、ああだめだなと思っていました。优胜した时はうれしかったです。
―― 10月に本大会に行くにあたり、どんな準备をしましたか?
ちょっと间が空いてしまって、その间日本の学会とか忙しい时期があったので、本大会の1か月ぐらい前からまた练习を始めました。同じように家と学校で练习する、という形にしたのですが、ちょっと后悔しているのは、他の人に闻いてもらうという机会を持たなかったので、そこはまた违う人に頼んで见てもらってもよかったかなと思います。自分だけでやっていると、间违った方向に行ったときに修正できないので。

―― ブリスベンのクイーンズランド大学で开かれた决胜大会の様子を闻かせてください。
まず最初に準决胜があったのですが、そこには(世界各地の予选を胜ち抜いて来た)56人が参加していました。朝、大学内の指定された场所に行くと、テントが立ててあって、そこに朝食のバイキングが用意してありました。昼ご饭もそこで出ました。そこで集まって、代表の方から挨拶があって、これから二部屋に分けて準决胜をやると。それぞれから何人决胜に进むかは决まっていないけど、最终的に10人が决胜に上がる、という説明がありました。なので私が现地で発表を闻いたのは自分の部屋にいた28人と决胜の10人でした。
―― 他の参加者はどんな方が多かったですか?
日本からは(西日本の别の3惭罢大会の优胜者として)岐阜大学の人が来ていました。后はほとんど他のアジアの国や中东の人や、オーストラリアが発祥地なのでオーストラリアやニュージーランドの大学生が多かったですね。惊いたのは、会った时に相手が僕のことをすでに知っていたことです。
―― そうだったんですか!
僕の発表の动画をすでにチェックしてて。僕はそれはやらなかったので、そこでまず差がついてるなと。行く前に自分の动画は见てチェックしたのですが、オーストラリアに行く前に自分の动画の再生回数が伸びていたんですよ。今思えば、ライバルがチェックしてたんだと思います。过去の优胜者の动画はチェックしたんですが、自分が出る大会の他の代表の动画まではチェックしてなかったので、そこがダメだったなという反省があります。
現地では、発表する前に、他の出場者から「お前はguide dogの志賀だろ」みたいなことを言われました。「見たよ、なかなかいい発表じゃないか」みたいな。そこがすごいなと。そこでまず面喰っちゃって。そこで、「お前はあれ発表してただろ」と言い返せればよかったなと。そこは反省してます。
―― 本番で他の学生の発表を闻いてどう思いましたか?
僕のグループの最初から二人目ぐらいが优胜者だったんですよ。なので、序盘にめちゃくちゃレベルの高い発表を见せられて、正直ちょっと紧张しちゃった。詰まったりとか、话が下手とか、おどおどしている人は一人もいなくて、みんな自信を持っていました。正直、东大でやった発表のほうが自分はうまく行ったかな、というのはあります。僕の発表は最后に近い方でしたが、谁が优胜するかは最后までわからなかった。皆すごいと思いました。

―― 何がすごかったですか?
抽象的になっちゃいますけど、华がありますね。ただしゃべってるんじゃない。有名人のスピーチを闻いているかのような、オーラがある感じ。路线としては、受けを狙いに行くタイプと、僕のようにシリアスに诉えかけるタイプのどちらかに分かれていたけど、人を引き込むような话し方の人が多かったですね。
地元のクイーンズランド大学から出ている人も多かったのですが、决胜に来ていた10人は家族ぐるみで応援に来てたりとか、地元では3惭罢はもっと一大事で、情热的にやっている感じがありました。経験が蓄积されているなと。
―― 休憩时间などに他の参加者と交流しましたか?
はい。动画を见たという人が何人か声をかけてくれたのに加えて、ニュージーランドから参加していた中国系の男の子が话しかけてくれたんですけど、すごくテンションが高くて、话し始めて1分后ぐらいにハグされて(笑)。「がんばろうな!」と言われて。そういう面白い人もいました。仲良くなるのがうまいですね。バイキングの时とか、どうしても僕はもう一人の日本人の人と端っこで固まりがちだったんですけど、他の参加者は、ぐいぐいと、全员としゃべろう、みたいな人が多かったですね。教室で进行役をやっていた3惭罢の担当教员も、终わった后に个人的に话しかけてくれて、面白い内容だったよ、と言ってくれて、内容について质问してくれました。
―― 现地の観光をする时间はありましたか?
大会の前日に现地入りして、観光したあと、当日の発表を迎えました。午前中に準决胜が行われて决胜出场者10人が选ばれて、午后に决胜が开かれました。そのあと夕饭を兼ねたパーティーがあって、そのあと2日、観光させてもらって帰ってきました。
大会とは関係ないのですが、ブリスベンはいいところでした。都市部で、川が流れているので船に乗って移动できたり、バスと船の文化があって、どこにでも行けます。向こうの修士课程の学生さんが大会をボランティアで手伝っていて、観光に连れ出してくれるんです。连络先を交换して、街を案内してもらいました。友达ができるというのはいいことだと思いました。

―― 今年の3惭罢に出场しようか迷っている人にどうアドバイスしますか?
僕は割と典型的な日本人だと思っているのですが、照れとか耻ずかしさとかがどうしてもあるんですよね。そういうものを力づくで変えてもらういい机会だと思います。30人、ネイティブスピーカーがいるところで、自信持って発表しないといけないという経験ってなかなかできないと思うので。僕は今回たまたま赏をもらいましたけど、结果に関わらずそういう経験ができたこと自体が良かったと思います。
あと、とにかく毎日练习してたくさんの人に闻いてもらうということが大事だと思います。仲いい人も良くない人もできるだけ人数集めて闻いてもらって、场数を踏むしかないと思いました。賛否両论含めていろんな意见を闻くことが大事かと。研究室で协力してもらえるんだったら、自分の教授というのはまず専门知识のある人だから、まずそういう人に闻いてもらって、その后は家族でもいいし、ほかの学科の留学生でもいいし。早めに伤つけられるのがいいと思います(笑)。例えば、ゼミで発表しても、兴味ない人は闻いてなかったりします。そういう経験は早めにしておいたほうがよいと思います。强いハートが必要なので。
―― 3惭罢参加経験は研究者としてのキャリアに役立つと思いますか?
役立つと期待しています(笑)。僕は大学の教员になりたいんですけど、今后も海外の学会に行ったりとか、日本でも英语で话さないといけない机会が増えると思うので、自信になると思います。あとは、こういう大会に出ましたということを履歴书に书けるというのはありがたいなと思いますね。
中山裕之教授のコメント
普段から学部生向けに、プレゼン资料を英语で作らせて、日本语、英语のどちらかで皆の前で発表させる、という授业を行っています。なので、志贺君には话す才能があると思っていて、3惭罢の案内があったときに、彼ならいけると思って声をかけました。
研究者にとって、研究内容が重要なのは当たり前で、それをいかに人に伝えるかというトレーニングが必要。その両方があって初めて一流になれると思っています。スライドには情报を盛りすぎるな、とアドバイスしました。学会とは违う场なので、闻いている対象が谁なのかをわきまえた上でスライドを作る必要がある。3惭罢はそういうことを気付かせるコンテストだと思います。また、自分が発表しなくても他の人の発表を见に行って、聴众に「受ける」にはどうすればよいかを勉强できる良い机会だと思っています。
東大3MT 受賞者のコメント
Jennifer Chia Wee Fernさん(準優勝)

いただいた研究费は研究のデータを集めるための国内でのフィールド调査に使ったほか、1月にハワイで行われた学会への参加费用にも一部充当しました。これは私が米国で行った初めての学会発表です。3惭罢からいただいたチャンスにとても感谢しています。
私の出身国、マレーシアの大学の多くの教授が、受赏を知ってほめてくれました。実はマレーシアでは3惭罢は広く知られていることを知りました。
Tiffany Joan Soteloさん(ピープルズチョイス賞)

3惭罢はサイエンスコミュニケーションの练习をするのに良い场だと思います。适切な言叶を使えるようになること、そしてプレゼンを简洁に、面白くするのは博士论文を书くよりチャレンジングだと感じます。
いただいた10万円は、広岛で开かれた微生物生态学の学会に参加するために使いました。登録费、ホテル代、交通费をまかなうことができました。私はもともと生化学が専门なので、(违う分野の)専门家から学ぶことができました。3惭罢からの研究费がなければおそらく行くチャンスのない学会でした。
取材?文:小竹朝子