ひょうたん岛通信 第1回


ひょうたん岛通信 第1回
岩手県大槌町の大気海洋研究所附属国际沿岸海洋研究センターのすぐ目の前に、蓬莱(ほうらい)岛という小さな岛があります。井上ひさしの人形剧「ひょっこりひょうたん岛」のモデルともされるこの岛は、「ひょうたん岛」の爱称で大槌町の人々に亲しまれてきました。ひょうたん岛から毎月、沿岸センターと大槌町の復兴の様子をお届けします。
「ひょうたん岛通信 第1回」は、东京大学学内広报NO.1421 (2012.1.25)に掲載されたものです。
定期的に大槌に通って思うこと
白井厚太朗 (大気海洋研究所附属国际沿岸海洋研究センター助教)
私は2007年8月から2009年3月まで約2年間、大槌にある国際沿岸海洋研究センターで研究員をしていました。2011年4月から助教として大槌で働く予定でしたが、震災のため現在は柏キャンパスで研究をしています。「ひょうたん岛通信」の最初の執筆者として「海洋研究にかける意気込み」のようなことを書くべきかと思いましたが、それ以上に大槌の現状を知っていただきたいと思い、定期的に大槌に通って私が思うことを紹介します。
2011年12月14日 城山公民馆から
2011年10月27日 沿岸センター屋上から
震灾后、平均すると月に1度の频度で大槌に行っています。震灾后はじめて行ったのは4月でしたが、1ヶ月でだいぶ瓦砾が片付いていたにもかかわらず、実际に自分の目で见た光景はテレビなどで见たよりもはるかに凄惨だったというのが第一印象です。その后しばらくは行くたびに瓦砾が片付いていったのですが、最近は简単に片付けられるところも少なくなってきて、復兴のペースが低下してきている印象を持っています。テレビや新闻では被灾地のニュースの割合が减ってきて、内容も比较的明るいものが増えてきていますが、私の印象では、报道されているよりも现実は厳しい状态で、まだまだ不自由な思いをされている方たちが多くいると感じています。
被灾地から远く离れた地で生活をしていると震灾のことを考える频度がだんだん减ってくるかと思いますが、被灾地のことを心に留めておき风化させないことが大切だと考えています。そして、是非多くの方々に大槌に足を运んでいただき、直接见て肌で感じていただきたいと思っています。大槌の魅力はなんと言ってもきれいな海と美味しい海产物で、これは现地でなければ満喫することができません。震灾で両方とも大きなダメージを受けたものの、叁陆の美しい海景は今でも満喫できます。美味しい海产物を食べられる场所も徐々にですが戻りつつあります。津波の爪痕から自然の猛威を実感し、おいしい食事から自然のありがたみを感じ、被灾地の実情を直接体験し、できるだけ多くの方に共有して顶く事が復兴につながるのではと思います。
叁陆沿岸の復兴に「海の恵み」は欠かすことができません。海洋研究者として津波により沿岸环境?生态がどのような影响を受けたのか、できる限り详细に研究し、记録として残す必要があると考えています。私は大槌から研究成果を発信することが復兴に役立つと信じて研究を进めていくつもりです。
【かわべコラム】
永遠の詩 The Song Remains the Same ―被災地のオアシス―
国际沿岸海洋研究センター専门职员?川辺幸一です。沿岸センターで震灾にあいましたが、その后も毎月、大槌町に足を运んでいます。復兴に向け、日々変化を遂げる大槌町のローカルな话题を绍介します。
突然ですが、今日の昼食は何を食べましたか?
お弁当持参の方もいらっしゃるとは思いますが、コンビニでお弁当を购入したりラーメン屋さんや定食屋さんなどで外食を楽しまれたりする方が多いのではないでしょうか。何気ない日常のひとコマですが、被灾地?大槌町ではそんな光景も、もう少し先になりそうです。
そんな町で、私がまず绍介したいのは、震灾后1カ月でいち早く店舗を立て直し、2011年4月29日に営业を再开された「ローソン大槌バイパス店」さんです。
新装开店したあとの店内には食事スペースも新しくできていて、となり町の釜石から大槌に入る道ぞいに立地しているため、大槌町民の皆さんのみならず、ボランティア活动で町を访れる方々、ガレキ処理や復旧工事で町を访れる方々が集まり、终日賑わいをみせています。まだ街灯も整备されていない大槌町は阳が沉むと街全体が真っ暗になります。その中でこのローソンの灯りが光り辉き、復兴に向けての「希望の光」を放っているように私には思えるのです。
「ひょうたん岛通信」第1回
制作: 広报室
掲载: 东京大学学内広报 NO.1421 (2012.1.25)
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