
书籍名
犀の教室 志士から英霊へ 尊王攘夷と中华思想
判型など
258ページ、四六判、并製
言语
日本语
発行年月日
2018年6月
ISBN コード
978-4-7949-7036-7
出版社
晶文社
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
本书は『儒教が支えた明治维新』の姉妹編 (兄弟編?) で、こちらも著者がこれまで発表してきた文章を集めたものである。ただし、書き下ろしを含む。
全体を贯くテーマは江戸时代の末期に「志士」と呼ばれた人たちが、明治维新を経て「英霊」として靖国神社に祀られるようになる、その思想的背景を绍介している。その意味では、内容的に『増补 靖国史観』(ちくま学芸文庫) とも近い。
本书は4部构成で、それぞれに映画「スターウォーズ」にちなんで気取ったタイトルが付けられている。曰く、
1 二人のジェダイ ― 西郷隆盛と吉田松阴
2 ダークサイドの诱惑 ― 杀身成仁の美学
3 エンパイアの理念 ― 宋学の思想史的意義
4 フォースと共にあれ ― 理気論の人間観
以下、简単に绍介しよう。
1では副题に名前をあげた2人の志士について、一般に知られているのとは别の见方を绍介している。西郷隆盛は室町幕府の创设者足利尊氏と共通点が多い。西郷は明治天皇の军队と戦って死んだのに英雄视され、后醍醐天皇に逆らった尊氏のほうは谋反人のレッテルを贴られた。また、吉田松阴はすぐれた人材を育てた教师というよりは、要人暗杀を企んで処刑されたテロリストである。
2ではこの2人が信奉した尊王思想、その行動主義について述べている。彼らをはじめ、幕末の志士たちは14世紀に書かれた『太平記』に惹かれていた。『太平記』の読者たちは足利尊氏の行動を批判し、幕府よりも天皇を重視するようになる。その思想的淵源が中国伝来の宋学 (儒教の一派) にあることを紹介している。
3では宋学が日本でどのように受容されたかを论じる。「尊王攘夷」とはもともと中国の宋学で强调されていた思想だった。特に水戸藩で生まれた水戸学が幕末には大きな役割を果たし、明治时代の天皇制の基础となった。最后の点は『』 (光文社) で詳しく解説している。
4では宋学の世界観?人间観が日本に及ぼした影响を论じる。宋学は私たちが暮らしている21世纪とは异质な観点で世界や人间をとらえていた。そのことを知らないと幕末维新期の人々の行动は正しく理解できない。彼らは私たちとはちがう価値観を持っており、彼らを賛美するのは现代の日本社会を否定することである。
本书の内容は必ずしも着者が発见したわけではなく、多くは学界ですでに通説として知られている。ところがそれが世间に広まっていないことが、着者が本书をまとめた最大の理由である。
(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 小島 毅 / 2019)
本の目次
西郷隆盛と足利尊氏―大河ドラマ「西郷どん」雑感
西郷隆盛の敬天爱人
大河ドラマ「花燃ゆ」と吉田松阴
吉田松阴と阳明学
明治から昭和へ、松阴像の変迁
破壊王と呼ばれて
私が吉田松阴批判を通じて目指すこと
教育者、松阴の诞生―玖村久雄『吉田松阴』解説
2 ダークサイドの诱惑 ― 杀身成仁の美学
死を见据えるー儒教と武士道、「行の哲学」の系谱
太平记、宋学、尊王思想
太平记と梦窓疎石
3 エンパイアの理念 ― 宋学の思想史的意義
思想史から见た宋代近世论
宋学の尊王攘夷思想とその日本への影响
水戸学の天皇论―现行制度を再検讨するために
4 フォースと共にあれ ― 理気論の人間観
朱子学の理気论?心性论
东アジア伝统思想の「尊厳」
正気歌の思想―文天祥と藤田东湖
関连情报
塚田纪史「幕末の志士たちは?テロリスト?だった そしてジェダイはダークサイドに落ちた」 (东洋経済翱狈尝滨狈贰 2018年7月29日)
『志士から英霊へ』を书いた
東京大学大学院人文社会系研究科教授 小島 毅氏に聞く (週刊東洋経済Plus 2018年7月28日)
书评:
短評: 志士から英霊へ 小島毅著 (『日本経済新聞』朝刊 2018年8月11日)