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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

苔が茂った大木の写真

书籍名

森の経済学 森が森らしく、人が人らしくある経済

着者名

三俣 学、

判型など

272ページ、四六判

言语

日本语

発行年月日

2022年7月

ISBN コード

978-4-535-55993-6

出版社

日本评论社

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本書は、森林について専門的に学んだことのない読者を想定し、森林と人間社会の営み (経済) の関わり合いについてなるべく平易に解説したものである。「森の経済学」と銘打ったが、森林資源を経済的に活用するための実践的な方策には、基本的に触れていない。本書が目指すのは、森林の成り立ちや経済のあり方を原点に立ち返って理解し、森と人間社会の関わりようの「いま」を見直し、「これから」を柔軟な発想で創造するために必要な視座を提供することである。そのため、既存の森林学や経済学の教科書では取り上げられてこなかったような見方も、少なからず盛り込んだつもりである。初学者向けではあるが、すでに森林や経済学をある程度学んだ読者にとっても、新たな視点を提供しうるものと考えている。
 
本书が原理原则と考える「森の経済」の考え方をかいつまんで绍介しよう。
 
まず、森は空间的にも时间的にも连続的な存在である。ある森の所有者がどんなに顽张っても、清凉な空気や水といったその森の恩恵を独占することはできない。ある时、自然灾害や伐採によって森林が消しても、その土地はやがて草原を経て森になりうるし、出来上がった森の姿も时间経过によって大きく変わりうる。
 
次に、人の资源として森を见た时、人の営みと、森の営みの时间的スケールがしばしば齟齬が生じる、ということに注意が必要である。特に、现代社会に至って、何が価値を持つのかは目まぐるしく変わるようになってきた。树木の生育スピードを考えれば、そうした急な需要には対応できないばかりか、その树木の再生产が危うくなることは想像に难くないだろう。
 
人は长い歴史を通じて、森を构成するさまざまな生き物を资源として利用してきたし、时に胁威として対抗もしてきた。それらがまさに森と対峙する人间社会の経済である。こうして、「森の経済」を、森と人の间の直接的なやりとりと、森を背景に取り结ばれる人と人のやりとりを含むものとして捉える视座に立つことができる。
 
経済学は多くの场合、生き物が织りなす自然环境を、人の経済の范畴として捉えてこなかった。しかし、上で指摘したように、自然の営みも考虑しなければ、経済社会の持続可能性は危うさを内包することになる。近代社会では、市场でやりとりされる価値を最大化することが重视され、これに都合の良いように森を作り変える努力が払われてきた。その结果として日本社会の「いま」に表出した现実は、数十年かけて充実した资源と、需要される资源とのミスマッチであり、近くにあるにもかかわらず人との接点が极めて希薄になった森の存在である。
 
「森の経済」が歩んだ近代は、利润最大化のために単纯化されてきた歴史であったと、本书は捉える。利润最大化の呪缚から离れ、多様な森と人の関わりを取り结んでいくことが、「森が森らしく、人が人らしくある経済」に近づく大前提と考えるが、読者の皆さんはどう考えるだろうか。
 

(紹介文執筆者: 农学生命科学研究科?农学部 講師 齋藤 暖生 / 2022)

本の目次

第1部 人间の経済と森
 
第1章 人间にとっての森
 1 连続的な空间としての森
 2 森を见るまなざし
 3 资源としての森
 4 胁威としての森
 5 森の时间――资源の有限性と无限性
 
第2章 森とともに歩んできた生活世界と経済の発展
 1 生计を支えた森の资源
 2 共同体の経済と森
 3 复雑化する社会と森
 
第2部 森の経済をとらえる学问のまなざし
 
第3章 自然环境に対する経済学のまなざし
 1 経済学とは
 2 标準的な経済学におけるいくつかの前提
 3 主流派経済学における変化の兆し
 
第4章 森林をめぐる学问の歩み――森林学のまなざし
 1 林学の诞生と森林学
 2 森林をシンプルにとらえ、体系的に管理する技法
 3 森林を复雑な系としてとらえ、管理する技法
 
第3部 日本の森がたどった近代
 
第5章 日本の林業?木材加工の技术史
 1 「林业」という言叶をめぐって
 2 樹木を育てる技术
 3 森林伐採と搬出の技术
 4 木材加工の技术
 
第6章 経済が変える森の姿
 1 姿を変える森
 2 人々の资源利用と森の姿
 3 近代化と森の変容 (近代~戦後)
 4 人工林の拡大と利用の空洞化
 
第7章 农山村における近代――コモンズ解体と「高度利用」の神话
 1 コモンズとしての自然――「自然の公私共利」の原则
 2 日々の生活を支えてきた村の中の「共」――入会の森を利用する
 3 森の近代――入会消灭政策=高度利用の果てに残ったもの
 4 非商品化経済をとらえなおす――高度利用の神话が生んだ放置と无関心
 
第8章 森林エコロジーの劣化と远ざかる森
 1 森林の「充実」を説明する理论
 2 过少利用の森林が抱える诸问题
 3 远くなった森が生み出す世代を超えた问题
 
第4部 ゆたかな森林社会へ
 
第9章 エコロジカルな経済へのパラダイムシフト
 1 近现代の経済の発展と矛盾
 2 エコロジーをゆたかにする経済は可能か
 3 共的部门の再评価――一九九〇年代の二つのコモンズ论
 4 パラダイムシフトに向けた运动
 5 新たな公?共?私と基盘としての自然アクセス
 
第10章 パラダイムシフトにおける「公」「私」の役割
 1 社会と自然の结び直し
 2 森をめぐる制度の変容
 3 変容する生产と消费のかたち
 
第11章 共创するコモンズ――森林をめぐる协治の胎动
 1 伝统的コモンズにおける协働の试み
 2 都市と山村をつなぐ――森林ボランティアの広がり
 3 海?川?森をつなぐ渔民の森运动――「森は海の恋人」
 4 森林の教育利用――学校林という森
 5 非商品化経済の営みが创る新しいコモンズ――环境の本源的な価値を求めて
 
第12章 エコロジカルな経済を支える自然アクセス――みんなの自然を取り戻す
 1 入浜権运动で问われた「自然はだれのものか?」
 2 英国のコモンズをめぐる歴史
 3 北欧?中央诸国に広がる自然アクセスの世界
 4 多の世界を创る自然アクセス制から学ぶこと
 5 非商品化経済をゆたかにする――森林社会の基盘をなす森の経済学へ
 
おわりに

関连情报

参考リンク:
森の経済学写真馆
『森の経済学』の着者、叁俣学、斋藤暖生らに撮影による森や木々の写真です。

 
着者インタビュー:
自然とつき合う経験を失うことは、人间の生存能力を失っていくこと (别蝉蝉别-蝉别苍蝉别 2022年9月5日)

 
书评:
佐藤宣子 (九州大学) 評 (『森林技术』No.969 p.36 2023年1月号)

 
山本信次 (岩手大学農学部) 評 (『森林科学』96号p96 2022年10月号)

 
池上 惇 (京都大学名誉教授) 評 (『林業経済』75巻8号P24-30 2022年)

 

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